中古車の写真の撮り方|掲載写真の枚数とアングル・光・背景、傷や修復歴の写し方

中古車の写真の撮り方 アングルと光の基本、傷の写し方、表示ルールまで販売店向けに整理

中古車の掲載写真は、店に来る前のお客様が車の状態を判断する主な材料です。この記事は中古車販売ノウハウの一つとして、「中古車の写真の撮り方」を扱います。アングルと光の基本、傷の写し方、表示ルールまで販売店向けに整理し、撮る順番と枚数の決め方、複数の掲載サイトで写真をそろえる方法も紹介します。撮影の基本は日本自動車工業会(JAMA)の撮影解説、表示のルールは自動車公正取引協議会(公取協)の資料で確認しています。

この記事で確認した一次情報

中古車の写真の撮り方の基本(アングル・光・背景)

中古車の写真の撮り方の基本は、車を置く位置と角度を先に決め、光の向きと背景を整えてから撮ることです。日本自動車工業会のJAMA BLOGは、車両撮影で最も定番の角度として、サイドビューとフロントフェイスを7対3の比率で写す斜め前からの構図を挙げています。光は、正面から当たる順光だと色はきれいに出るものの凹凸が平板に見え、背後からの逆光は写真が暗くなり、横から当たる斜光はプレスラインが出て立体感が出るため、車の撮影にはバランスの良い光だと説明しています。曇りの日は光が柔らかく、同じような写真を撮りやすいとも書かれています。レンズは、近づいて広角で撮ると車がゆがむため、離れた位置から望遠側で撮るのが基本です。背景については、自動販売機や看板、ごみ箱、マンホールの写り込みや、車体に映る人の影を悪い例として挙げています。

項目JAMA BLOGの解説販売店での使い方
角度サイドとフロントを7対3で写すのが定番斜め前の1枚を一覧の代表写真にする
光斜光が立体感を出しやすい。曇りは柔らかい光撮影時刻と場所を決め、毎回同じ向きに車を置く
レンズ近づいて広角で撮るとゆがむ。離れて望遠でスマートフォンでも少し離れてズームする
背景看板、ごみ箱、人の影の写り込みに注意撮影専用の区画を決め、余計な物を置かない
車の状態窓を閉める、ミラーをたたまない、タイヤの汚れを落とす洗車と室内清掃を済ませてから撮る

JAMA BLOGの講師は、フロント周りが暗いときにヘッドライトを点灯すると締まった印象になると紹介する一方、ステアリングを切ってタイヤに角度を付ける撮り方は好みの問題で、基本は曲げないと話しています。掲載写真では、見栄えより実車の形と色が正しく伝わることを優先してください。

中古車の掲載写真の枚数と撮る順番

中古車の掲載写真の枚数は、サイトごとに上限が決まっています。この記事で確認した公的機関の資料には、掲載写真の推奨枚数を示したものはありませんでした。そこで、上限に合わせて撮る枚数を変えるより、店で決めた撮影リストに沿って毎回同じ順番で一通り撮り、掲載先の上限に合わせて選んで載せるほうが効率的です。撮影リストの例を下に示します。外装は車の周りを一周しながら、内装は運転席に座る人の目線から順に撮ると、撮り忘れが減ります。撮影を担当する人が替わっても同じ写真がそろうように、リストは紙に印刷して撮影場所に置いておくか、スマートフォンに保存しておくと便利です。

順番撮る場所撮り方の例
1〜4外装(斜め前、真横、斜め後ろ、真後ろ)7対3の斜め前を代表写真に。反対側の斜めも撮る
5〜8運転席まわり(インパネ、メーター、ナビ、シフト)メーターは走行距離が読める明るさで
9〜12シート(前席、後席、荷室、シートアレンジ)汚れや破れがあればその部分も
13〜15エンジンルーム、タイヤ(溝)、ホイールタイヤは溝の残りがわかる角度で
16以降傷、へこみ、補修跡、修復箇所位置がわかる引きと、状態がわかる寄りを1組で
付属品取扱説明書、整備記録簿、スペアキー書類は個人情報が写らないよう伏せる

同じ順番で撮っておくと、掲載先ごとに写真を並べ替える手間が減り、お客様も他の車と比べやすくなります。写真と車両コメントの改善は掲載コストの見直しにもつながります。掲載料の考え方はカーセンサー・グーネットの掲載料はいくら?で扱っています。

在庫車を販売チャネルに一括登録

撮った写真と在庫情報を一度登録すれば、共有在庫、海外向けサイト、自社の在庫ホームページへまとめて掲載できます。掲載先ごとの写真の入れ直しを減らしたい方はご相談ください。

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中古車の傷や修復歴の写し方

中古車の傷や修復歴の写し方は、どこにあるかがわかる引きの写真と、どの程度かがわかる寄りの写真を1組で撮るのが基本です。寄りの写真だけでは、どのパネルの傷なのかがお客様に伝わりません。大きさが伝わるように、定規やカードを添えて撮る方法もあります。修復歴の判断には業界共通の基準があります。公取協が2019年3月26日に会員向けに出した資料によると、修復歴の有無は一般財団法人日本自動車査定協会(日査協)の「修復歴判断基準」に基づいて表示することになっており、この基準は公取協、日査協、日本オートオークション協議会の3団体で同一としています。同じ資料は、骨格部位の損傷の大きさがカードサイズ(8.5cm×5.4cm)を超えた場合に修復歴と判定すると説明しています。日査協の実施店向けページでは、2026年10月1日実施の査定基準とハンドブックの修正が告知されているため、判断に迷う場合は最新の基準で確認してください。

写すもの撮り方表示ルールとの関係
外装の小傷、へこみパネル全体の引き+傷の寄り。光を斜めから当てると凹凸が見える修復歴には当たらないことが多いが、状態の説明として載せる
補修跡、塗装の色違い自然光で、隣のパネルと一緒に写す交換や修理をした箇所は車両コメントにも書く
骨格部位の修復箇所修復した部位がわかる位置から修復歴「有」と表示し、修復箇所を書面で示す(公取協)
内装の汚れ、破れシート全体+該当箇所の寄り写真と説明をそろえる

公取協の「中古車規約のポイント」は、骨格に当たる部位の修正や交換歴があると判断された車は修復歴「有」と表示し、別途書面で修復箇所を示すと説明しています。チラシなどで「修有」「修無」のようなマークを使う場合は、同じページにマークの意味を書き、「有」と「無」のどちらかがわかるように表示する必要があります(公取協 広告表示FAQ)。

中古車の写真と表示ルール(新車写真の流用・イメージ写真)

中古車の広告写真には、公取協の自動車公正競争規約に基づくルールがあります。公取協の広告表示FAQは、中古車の写真やイラストと販売価格を一緒に表示する場合は、その写真に使った中古車の販売価格を表示することとしています。そのため、登録済未使用車の写真が間に合わないときに、同じ車種、同じグレードの新車の写真は流用できず、実際に販売する中古車の写真を載せるよう求めています。フェアの告知で対象車が決まっていない段階に、イメージとして特定の中古車の写真を載せる場合も注意が要ります。同じFAQは、価格を書かなくても、その車はフェア期間中に販売すると申し出た車と見なされ、実際に販売できなければおとり広告となるおそれがあるとしています。対象車が未定なら、展示場の風景やイラスト、シルエットなど、イメージだとはっきりわかる素材を使います。

  • 掲載写真は、販売するその車を撮ったものだけを使う。
  • 撮影後に付けた装備や外した装備があれば、写真と説明を合わせて直す。
  • 売約済みになった車の写真を、チラシやサイトに残さない。
  • フェアの告知で車が未定なら、特定の車とわかる写真を使わない。

消費者庁の「おとり広告に関する表示」等の運用基準も、広告した商品が売却済みである場合を、実際には取引に応じられない場合の例に挙げています。写真の差し替えと掲載の取り下げは、同じ担当者が同じ日に行う流れにしておくと漏れが減ります。

複数の掲載サイトで中古車の写真をそろえる方法

複数の掲載サイトに同じ車を載せると、写真の登録と差し替えの作業がサイトの数だけ増えます。撮り直した写真を一部のサイトにだけ反映し忘れると、サイトによって車の見え方が違ってしまいます。写真は撮影リストの順番どおりにファイル名を付けて1か所に保存し、在庫情報と一緒に一度だけ登録して各サイトに配る形にすると、差し替えも一度で済みます。写真の明るさや向きを掲載先ごとに加工し直すと、かえってサイトごとの差が出るため、加工は撮影直後に一度だけ行い、同じファイルを全サイトで使うのが基本です。共有在庫サイトの仕組みは共有在庫とはで紹介しています。

「在庫車を販売チャネルに一括登録」は、車両販売管理ソフトに入力した在庫情報を、国内共有在庫(Quick×Quick、ASNET、アイオーク、JUテントリ、バザールネット)、海外向けポータル(TCV、CARFROMJAPAN、PicknBuy24.com、CardealPage)、中古車貿易会社サイト、中古車カーリース会社向けサイト、ヤフオク、自社専用の在庫ホームページにまとめて登録するサービスです。カーセンサーのC-MATCHとGooのMOTORGATEへの連動には各社との別途契約が必要です。利用には弊社の整備システムまたは販売システムが必要です。海外のバイヤーは写真で車の状態を判断するため、外装の四方と下回り、タイヤの写真がそろっていると問い合わせに答えやすくなります。

中古車の撮影場所と機材の準備

撮影の品質を毎回そろえるには、撮影場所を1か所に決めるのが近道です。背景に看板や他の車が入らない壁際や区画を選び、午前と午後のどちらに撮るかを決めておくと、光の向きが安定します。機材はスマートフォンで足ります。JAMA BLOGの解説もスマートフォンでの撮影を前提にしており、スマートフォンは自動調整で誰でもある程度きれいに撮れる一方、意図しない調整が入ることがあるとしています。明るさが写真ごとにばらつく場合は、露出を固定する機能を使ってください。屋内で撮る場合は、蛍光灯の映り込みでボディの色が実車と違って見えることがあるため、色が伝わりにくい車は屋外の自然光でも撮っておくと安心です。

  • 撮影用の区画を決め、背景に余計な物を置かない。
  • 洗車、室内清掃、タイヤの汚れ落としを撮影前に済ませる。
  • 窓を閉め、ミラーを開いた状態で撮る。
  • 撮影リストを紙かスマートフォンに用意し、順番どおりに撮る。
  • 撮った写真はその日のうちに在庫情報へ登録する。

まとめ

中古車の写真は、7対3の斜め前の構図、斜めからの光、離れて望遠側で撮ることを基本にし、背景の写り込みを避けます。撮影リストを決めて毎回同じ順番で撮れば、掲載先の枚数上限に合わせて選ぶだけで済みます。傷や修復箇所は引きと寄りを1組で撮り、修復歴の有無は日査協の修復歴判断基準に沿って表示します。写真は販売するその車のものだけを使い、新車写真の流用や、販売できない車のイメージ写真は避けてください。複数のサイトに載せるなら、写真と在庫情報を一度だけ登録して配る仕組みにすると、差し替えと売約済みの処理を漏らさずに済みます。

中古車の写真の撮り方に関するよくある質問

中古車の掲載写真は何枚撮ればよいですか?
掲載できる枚数の上限はサイトごとに決まっているため、各サイトの出品画面や案内で確認してください。撮影は上限に合わせて減らすより、外装、内装、エンジンルーム、タイヤ、傷の箇所まで決まった順番で一通り撮り、掲載先の枚数に合わせて選ぶほうが、撮り直しが少なくなります。
車の写真はどの角度から撮るのが基本ですか?
日本自動車工業会のJAMA BLOGでは、車両撮影で最も定番の角度として、サイドビューとフロントフェイスを7対3で写す斜め前からの構図を紹介しています。車に近づいて広角で撮ると形がゆがむため、少し離れて望遠側で撮るのが基本とされています。
同じ車種の新車の写真を代わりに使ってもよいですか?
使えません。公取協の広告表示FAQは、登録済未使用車の写真が間に合わない場合でも、同車種同グレードの新車の写真は流用できないとし、実際に販売する中古車の写真を掲載するよう求めています。
修復歴のある車は写真で修復箇所を見せる必要がありますか?
公取協の規約で求められているのは、修復歴の有無の表示と、修復歴がある場合に修復箇所を書面で示すことです。写真の掲載までは定められていませんが、修復箇所や外装の傷を写真で示しておくと、納車後の認識違いを防ぎやすくなります。
スマートフォンで撮った写真でも掲載に使えますか?
使えます。JAMA BLOGの撮影解説もスマートフォンでの撮影を前提にしており、広角側で近づくとゆがむこと、背景の写り込みに気をつけることなどを挙げています。機材よりも、撮る場所と光の向き、撮る順番を毎回そろえることが写真の品質を左右します。
在庫車の情報や顧客の管理は、どうすればよいですか?
販売する車の仕入れ値・整備費・売値、顧客の情報、注文書や保証書を1か所で扱えるのが車両販売システム(車販ソフト)です。整備も行う場合は自動車整備システム(自動車整備ソフト)とデータがつながるかを確認します。整備システム 比較や整備ソフト おすすめの情報を見るときは、整備ソフト 安いかどうかだけでなく、整備システム リースなしで始められるか、開業時の台数に合うかも確かめてください。

出典

この記事は次の一次情報をもとに作成しています(2026年10月4日確認)。

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